世界を広げたいな、とある日思いました。
パンデミックでここしばらく在宅勤務が続いたおかげでネットワークを広げる機会がなく、強い閉塞感を感じていて
「この機会にブログを始めて誰かとコミュニケーションしてみよう」と思い立ったわけです。
ブログ では 数年間取り組んでいる「美しさ」に関する研究と、趣味の読書について書くつもりですが
私のとりとめもない文章について いろいろなお考えや感想を頂けたらとてもありがたいです。
まず初めに、私の研究テーマである「絵の美しさ」について。
なぜこのテーマにしたのか、とよく聞かれるので少し書きます。
子供の頃、隣の祖父の家によく遊びに行きました。 都内のデパートに勤めていた叔母も祖父母と一緒に住んでいました。
当時、日本経済は第2波の高度成長期で 百貨店業界は美術品販売まで事業を拡大し デパートの催事場では 毎週のように美術展が
開かれていたようです。 若い世代の間で 芸術鑑賞することがハヤり、デートコースとして人気だったと聞きました。
叔母はよく「できるだけ早いうちから綺麗なものにふれたほうがいい」と言っては
新しい美術の催しが始まると作品の便覧を買い、炬燵にポン、と置いておいてくれました。
絵画、ジュエリー、彫刻など、さまざまな種類の展示があって、
歴史的名画から無名の新人作家まで幅広く扱われていました。
私は作品がズラッと掲載された便覧を見るのが好きで、いっぱしの審査員気取りで
どれが一番いいか 日がな一日 祖父と炬燵に入って 見比べたものです。
しかし1位になったり名作と評価された作品が 自分の予想と違うことが多々ありました。
そんなときはいつも 1位の作品のどこが 私の選んだものと比べて優れているのだろう、と
疑問に思ったものです。
美しさには 何か自分にはわからない要素があるのだろうかと。
この疑問が、私の研究テーマとなりました。