浮世絵
浮世絵
浮世絵とは、江戸時代の世俗(浮世)を描いたもので 肉筆画と木版画があります。
肉筆画は一点もので高値でしたが、木版画は版を重ねて刷り大量生産できるため 安価で庶民に人気がありました。
木版画は 絵師、彫師、摺師が分業して一枚の絵を仕上げます。
絵師が描いた絵をもとに彫師が一本一本髪の毛まで細かく彫り、摺師が顔料を一色ずつ塗り、版木に紙を貼って色を重ねていきます。
浮世絵師は徒弟制度で技術を学び、狩野派や歌川派などさまざまな流派がありました。現在は アダチ版画研究所@東京 が有名です。
題材の多くは庶民の日常生活で、その他に歌舞伎役者の絵、美人画、名所絵などがあります。
特に木版画は、大量生産するために規格サイズあります。
例えば 有名な葛飾北斎(1760~1849)の「富嶽三十六景」(1831~33)と歌川広重(1797~1858)の「東海道五十三次」(1831~40)は どちらも「大判」サイズ 25.3×37.0cm で、同じ版元(保永堂)であるものの 広重の「東海道五十三次」と比較して、「富嶽三十六景」の方が紙質が良くサイズも若干大きいそうです。 [1]
※紙質と摺りに上摺りと並摺りがある。
「富嶽三十六景」の46枚の作品のうち、「神奈川沖浪裏」は今も人気があり
2020年には日本のパスポートの査証欄のデザインに採用されました。
参考文献
[1] 「浮世絵細見」 浅野秀剛 講談社選書メチエ 2017年8月9日初版